Seia Mia Story

闘病ニートのminimalistへの道のような日記

小説 その6「アリの夢」

僕はアリだ。いつも穴蔵の中にせっせと食べ物を運んでいる。女王様のために、未来の僕たちのために働いているんだ。来る日も来る日も変わらず、歩むんだ。

 

そんな僕には、夢があるんだ。羽アリ達のように大空を飛ぶことが僕の夢なんだ。僕には羽はないけれど、きっとできる。鳥のように大空を舞うことが。みんなはできないかも知れないけれど、僕にはできるはず。そう信じているんだ。

 

そして今日もいつもの日課で、近くの場所に落ちたミニトマトがあるから、それを分解して食料にするんだ。

 

「おーいみんな、早くミニトマトを分担して運べ!はやくしないと干からびてしまうぞ!」

 

その声に僕は、夢の世界から現実に引き戻されたんだ。夢の世界では僕は空を飛んでいるからね。いつか現実になって欲しいな。そんなことを思っていたら、周囲がさわがしくなってきたんだ。

 

「おい、あれやばいんじゃないか?こっちを見ているぞ?」

「本当だ。まさかミニトマトを狙っているんじゃないか?」

「そうに違いない。撤収しなければ!」

 

ガヤガヤうるさいな。僕はミニトマトのてっぺんに登って、あたりを見回した。すると僕にめがけて、カラスが飛んでくるのを目撃した。だけど、遅かったんだ。僕は、ミニトマトごと高く大きな青空に飲まれてしまったんだ。

 

だけど、夢が叶った瞬間だったから、悪い思いはしなかったよ。穴蔵から大分離れた場所を飛んでいるけど、夢の世界のように、風をきる音がして、とてもワクワクしたよ。

 

「これが青空・・・かとても大きいな」

 

でも青空を駆け抜ける時間は、すぐおわちゃったんだ。カラスがどこかの人間の家の屋根に降り立ったからだね。カラスは、僕が乗っていたミニトマトを美味しそうに食べ始めたから、僕はその場から逃げたよ。

 

一緒に食べられてしまうかもしれないからさ。にしても、結構な場所まで飛んできちゃったな。僕は屋根から降りて、猛烈に暑い道路に乗り出したんだ。友人のアリ達に聞いていたけど、本当に暑いんだね。干からびちゃうよこれじゃあ。

 

死の危険を感じ取ったから、道路の向こう側まで急いで渡ろうとしたんだ。でも、大きな音がしたとおもうと、車っていう人間の乗り物が右からやってきたんだ。

 

このままじゃあ、押しつぶされてしまうと思うでしょ?でも大丈夫なんだ。道路の荒いところは凹んでいてそこにうずくまってしまえば当たらないんだ。

 

それで危機をなんなく過ごした僕は、元の穴蔵に帰ってくることができたよ。夢を実現した僕は、その勇気をほめたたえられて、戦闘アリに入団できたんだ!すごいでしょ。

 

 

君も夢を実現するといいことがあるかもね!

 

 

end...

 

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アリの夢を書いてみました。本当は水曜日のテーマなんですけど、諸事情により月曜日に書いています。今週の水曜日にモノのテーマで書いていきます。